インポート(IMPORT)

IMPORTはOracleが標準で提供するユーティリティ。
EXPORTユーティリティで出力したエクスポート・ダンプ・ファイルからオブジェクトや行データなどを取り込むことが可能。

お手軽ですが、Oracle 10g からは Data Pump Export/Import の使用が推奨されています

IMPORTは imp コマンドで実行可能
実行方法は以下の3つがある。

imp
順に問い合わせされるパラメータを入力していく対話方式。

imp パラメータ名=パラメータ値 [,パラメータ名=パラメータ値,...]
コマンドの後ろに各種パラメータを付加して実行する。

imp parfile=パラメータファイル
前もってパラメータを記述したファイルを指定して実行する。

モードには以下の4つがある。

・全体モード
　データベース全体のインポート
・表領域モード
　指定表領域のインポート
・ユーザ・モード
　指定ユーザのスキーマにある全てのオブジェクトをインポート
・表モード
　指定表およびパーティションのインポート

実行には CREATE SESSION 権限が必要。
実行モードを全体モードで実行する場合は IMP_FULL_DATABASE ロールも必要。
実行モードを表領域モードで実行する場合は IMP_FULL_DATABASE ロールも必要。
実行モードをユーザ・モード、かつ別ユーザのオブジェクトをインポートする場合は IMP_FULL_DATABASE ロールも必要。

パラメータ	値 (※1)	デフォルト	説明
BUFFER	NUMBER	※2	転送したデータ行を格納するバッファのバイト数
COMMIT	y/n	n	配列を挿入するたびにコミットするかどうか
COMPILE	y/n	y	パッケージ、プロシージャ、ファンクションを作成時にインポート・ユーティリティでコンパイルするかどうか
CONSTRAINTS	y/n	y	表制約をインポートするかどうか
DATAFILES	STRING	-	データベースに転送するデータ・ファイル TRANSPORT_TABLESPACE=Y の場合に指定必須
DESTROY	y/n	n	既存のデータファイルを上書きするか
FEEDBACK	NUMBER	0	指定した値の行数をインポートする毎に「.」を表示
FILE	STRING	expdat.dmp	インポートするエクスポート・ダンプ・ファイル名 半角カンマ区切りで複数ファイルの指定も可能 (FILESIZEパラメータと組み合わせて使用する)
FILESIZE	NUMBER	※2	エクスポート時の最大ダンプ・ファイル・サイズ(バイト) キロバイト指定も可能(10KBなど)
FROMUSER	STRING	-	インポート対象となるオブジェクトを所有するユーザ 半角カンマ区切りで複数指定可能(例を参照)
FULL	y/n	n	FULL=y を指定すると全体モードでのインポートとなる FULL=y を指定する場合は TABLES、TABLESPACES、TOUSERパラメータは無効となる
GRANTS	y/n	y	権限をインポートするかどうか
HELP	y/n	-	HELP=Y でヘルプ表示
IGNORE	y/n	n	インポートしているオブジェクトが既に存在していた場合の対応方法 y：行が既存の表にインポートされる n：エラーがレポートされ、スキップされる
INDEXES	y/n	y	索引をインポートするかどうか
INDEXFILE	STRING	-	索引作成SQL文を受け取るファイル名
LOG	STRING	-	ログ出力する場合の出力ログファイル名
PARFILE	STRING	-	パラメータファイル名
ROWS	y/n	y	表のデータ行をインポートするかどうか
SHOW	y/n	n	エクスポート・ダンプ・ファイルの内容を画面表示するかどうか y：画面に表示する＆インポートされない(←要注意！) n：画面に表示されない＆インポートする
STATISTICS	ALWAYS NONE SAFE RECALCULATE	ALWAYS	データベース・オプティマイザ統計情報のインポート方法 STATISTICS=ALWAYS は問題があっても常に取り込む STATISTICS=NONE は取込・再計算をしない STATISTICS=SAFE は問題がない場合のみ取り込む STATISTICS=RECALCULATE は取り込まずに再計算する
TABLES	STRING	-	インポートの対象となる表名、パーティション名を指定 半角カンマ区切りで複数指定可能 指定すると表モードでのインポートとなる FULL=y を指定する場合は無効となる
TABLESPACES	STRING	-	インポートの対象となる表領域名を指定 半角カンマ区切りで複数指定可能 指定すると表領域モードでのインポートとなる FULL=y を指定する場合は無効となる
TOUSER	STRING	-	インポート先の対象となるユーザ 指定するとユーザ・モードでのインポートとなる 半角カンマ区切りで複数指定可能(例を参照) FULL=y を指定する場合は無効となる
TRANSPORT_TABLESPACE	y/n	n	トランスポータブル表領域のメタデータをインポートするかどうか
USERID	STRING	-	インポート処理を実行するユーザーの接続情報 username/password[@instance][ AS SYSDBA] 形式で指定

※1 NUMBER：数値、STRING：文字列、y/n：yまたはn
※2 OSによって異なる
※ 他にもパラメータはありますが独断と偏見で「あまり使わない」と判断したものは省略しています

全体モードでインポート
imp usr1/pass1@db1 file=c:\full1.dmp full=y

ユーザ・モードでインポート
usr2のオブジェクトをusr3へ
imp usr2/pass2@db2 file=c:\full2.dmp fromuser=usr2 touser=usr3

ユーザ・モードでインポート
usr5のオブジェクトをusr7、usr6のオブジェクトをusr8へ
imp usr3/pass3@db3 file=c:\full3.dmp fromuser=usr5,usr6 touser=usr7,usr8

表モードでインポート
imp usr4/pass4@db4 file=c:\tbl4.dmp rows=y tables=(tbl1, tbl2)

レコードだけをインポート（表は既に存在する）
imp usr5/pass5@db5 file=c:\tbl5.dmp rows=y ignore=y tables=tbl5

バッファを使って高速化(1MBごとにコミット)
imp usr6/pass6@db6 file=c:\tbl6.dmp rows=y ignore=y buffer=1048576 commit=y tables=tbl6

上位バージョンのエクスポートで生成したエクスポート・ダンプ・ファイルを、下位バージョンのインポートで使用することはできない。

索引があるテーブルへデータをインポートする場合、
インポート元テーブルの索引を削除してからインポートを実行すると通常よりインポート時間を短縮できる
(レコード数が少ない場合はあまり効果がない)

手順
・移行元データベースでINDEXES=Yを指定してエクスポートを実行
・移行先データベースで対象テーブルの索引を削除
・移行先データベースでINDEXES=Yを指定してインポートを実行
　→行データ挿入完了後、自動的にインデックスが作成される

Oracle Database ユーティリティ 10g リリース2（10.2） 19 オリジナルのエクスポートおよびインポート

2012/03/08　「STATISTICS」を追加
2012/02/01　実行例を追加
2010/02/11　新規作成